お盆のお供えは何にする?|選び方や費用相場まで紹介
2025/05/16

お盆のお供え選びに迷う方へ。本記事では「お盆」の意義や祖霊を迎えるお供えの意味から、定番の果物・故人の好物・季節の食材、線香や花などの副品まで幅広く紹介。具体的なアイデアや選ぶ際の注意点も解説。また、地域・宗派ごとの風習の違い、選び方のポイントや費用相場、量の目安、飾り方、マナーやのし紙の書き方も詳述。
目 次
お盆とは?お盆のお供えの意味
お盆の起源と歴史
お盆はもともと仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」に由来し、インドで先祖の霊を供養する行事として始まりました。中国や日本に伝わり、平安時代には宮廷行事として定着。鎌倉・室町時代には一般庶民の間にも広がり、現在のように先祖の霊を迎える夏の風習として根付いています。
現代のお盆の風習
現代のお盆は地域にもよりますが、おおむね8月13日から16日にかけて行われます。初日には「迎え火」を焚いて故人の霊を迎え、最終日には「送り火」であの世へ送り出します。家庭では盆提灯や精霊棚を飾り、寺院では施餓鬼会(せがきえ)や法要が営まれます。また、盆踊りは送り迎えの儀礼に合わせた娯楽行事として古くから親しまれてきました。
お供えの意味
お盆のお供えは、故人や先祖の霊をもてなし、感謝と供養の気持ちを表す大切な儀礼です。食べ物や飲み物、お花や線香を供えることで、あの世とこの世の境にある霊が差し向けられた道具となり、迷わず帰省できるようにと願いが込められています。
先祖供養としての役割
お供え物は、ご飯や故人の好物、季節の果物などを選ぶことで、先祖へ日頃の感謝を伝えるものです。飾った供物は後に家族で分け合い、「お下がり」としてありがたくいただく習慣があります。
霊を迎え送る儀礼
迎え火・送り火や精霊棚と併せて行うお供えは、先祖の霊があの世とこの世を行き来するための道しるべです。灯りをともすことで霊を迷わせず、また供物を手向けることで無事に送り帰すという二重の意味が込められています。
お盆のお供えの種類
お盆の定番のお供え物
故人の好物
お盆には、故人が生前に好んでいた食べ物や飲み物をお供えします。例えばご飯や漬物、好みの和菓子、コーヒーや日本茶など、想い出の味を選ぶことで先祖供養の気持ちがより伝わります。仏壇や精霊棚(しょうりょうだな)に並べる際は、清潔な器や小皿に盛り、ほこりよけの蓋を用意すると丁寧です。
果物
果物はお盆のお供え物として広く親しまれています。定番はりんご、梨、ぶどう、みかんなど。見た目の美しさや傷みづらさを重視し、鮮度のよいものを選びます。皮に虫がつきやすい桃や柿はよく洗ってからお供えし、季節感を演出しつつ先祖への感謝を表します。
お菓子
和菓子や洋菓子など甘いお菓子も人気です。代表的な和菓子には饅頭、羊羹、練り切りなど、緑茶との相性がよい品を選びましょう。洋菓子ではカステラや乾きもののクッキー、ヴィスコッティなど、水分が少なく日持ちするものが適しています。いずれも包装が清潔で、のし紙を添えると改まった印象を添えられます。
飲み物
日本茶やコーヒー、清涼飲料水、果汁ジュースなど、故人の嗜好に合わせて選びます。風味や原材料にこだわった無添加タイプは、仏壇に並べたときにも見栄えがよく安心感があります。また、お酒好きだった方のために日本酒や焼酎、ビールをお供えする家庭もありますが、割れ物の取り扱いには十分注意してください。
お盆の時期に合わせたお供え物
季節の果物
お盆は夏の行事のため、旬の果物をお供えするのが喜ばれます。スイカやメロン、桃、ぶどうといった夏の味覚は見た目も鮮やかで、仏壇を華やかに彩ります。なるべく傷やへこみの少ないものを選び、カットして小皿に盛る場合は乾燥防止にラップをかけておきましょう。
そうめん
夏の定番食材であるそうめんは、お盆のお供えにもおすすめです。涼感を感じさせる白い色合いが清潔感を演出し、長寿や一家円満の願いも込められます。南部鉄器のざるや竹ざるなど、和の雰囲気がある器に盛り付けるとより丁寧です。
野菜
お盆ならではの野菜として、精霊馬(しょうりょううま)を作るナスやキュウリがあります。ナスは馬、キュウリは牛に見立て、きゅうりにはお礼を伝えるための牛、なすには帰りの足の遅さを願う馬の意味を持たせます。またトマトやきゅうり、なすなどの色彩豊かな夏野菜は、仏壇を明るく見せる効果もあります。
その他のお供え物
線香
線香は香りによって邪気を払うとされ、欠かせないお供え物です。お盆の時期には白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)など、落ち着いた香りのものを選ぶとよいでしょう。立てるタイプと寝かせるタイプがあり、仏壇や精霊棚のスペースに合わせて用意します。
ろうそく
ろうそく(燈明)は、先祖の霊を迎える迎え火・送り火の意味があります。和ろうそくや電気ろうそくを用いる場合は、燃えやすいものと近づけないよう配置に注意しましょう。火を灯す際は風の影響が少ない場所を選び、安全第一で行ってください。
お花
お盆のお供え花には、故人の好きな花や季節の花を選びます。菊や蓮(はす)、百合など仏花として知られるものが一般的ですが、ひまわりやリンドウ、アジサイなど夏に咲く花もよく用いられます。花瓶は清潔なものを用意し、水替えをこまめに行って瑞々しさを保ちましょう。
お盆のお供えの選び方
お盆のお供えを選ぶ際の注意点
お盆の供え物はご先祖様への感謝の気持ちを表すものです。新鮮さや見た目の美しさを重視し、なるべく当日または直前に購入しましょう。果物や野菜は傷みやすいため、産地や収穫日を確認したうえで選ぶのがポイントです。また、包装やのし紙は「お盆」「御供」「御霊前」など地域や宗派に合わせた表書きを付けることで失礼を避けられます。
日持ちしないものを選ぶ場合は、短期間でお下がりが可能かどうかを考慮しましょう。長く飾る場合は乾物や日保ちのする菓子類、落雁(らくがん)などもおすすめです。さらに、食べ物以外のお供えとして線香・ろうそく・花なども組み合わせると、祭壇が華やかになります。
地域によるお供えの違い
お盆の風習は地方によって異なります。関東では果物盛り合わせや季節の花を中心に、比較的シンプルな供物が一般的です。関西では盆棚飾りに盆提灯を並べ、そうめんや冷やし飾り麺を供えることも多く見られます。東北地方では「精進団子」や「ほおずき」を飾る地域があり、九州では新米のご飯や郷土菓子を添える習慣があります。
地元の仏具店やお寺に相談すると、地域特有の飾り方やおすすめの供え物を教えてもらえるため、初めての方も安心です。
宗派によるお供えの違い
浄土真宗では「生もの」を避ける家もありますが、果物や菓子は許容される場合が多いです。一方、真言宗や禅宗では形式を重んじ、野菜や精進料理を中心に供えることがあります。天台宗や日蓮宗では、魚や肉を供えずに、穀物や豆類を用いたお供物を推奨する場合があります。
それぞれの宗派で異なる作法や禁忌があるため、ご自宅の宗派に合ったお供えを選ぶと失礼がありません。僧侶に確認できない場合は、基本的な精進供養(野菜・果物・和菓子)を組み合わせると安心です。
お盆のお供えの費用相場
お盆のお供えにかかる費用は、用意する品目や数量、購入方法によって幅がありますが、一般的には5,000円〜10,000円程度が目安とされています。祭壇の規模やご家庭のしきたりに応じて、予算を立てましょう。
お供えの種類別の費用相場
お供え物は果物やお菓子、仏花、線香・ろうそくなど多彩ですが、各品目の相場は以下のとおりです。
・果物盛り合わせ:3,000円〜5,000円程度。メロンや桃、ぶどう、梨など旬のものを数種類組み合わせたものが一般的です。
・仏花(生花アレンジメント):3,000円〜5,000円程度。白や紫を基調とした色合いで、持ちがよい花材を選ぶと長く飾れます。
・線香・ろうそくセット:1,000円〜2,000円程度。香りの良いお線香と和ろうそくをセットにしたものが手軽かつ見栄えがします。
・和菓子の詰め合わせ:1,500円〜3,000円程度。日持ちの良い干菓子や上生菓子の詰め合わせが定番です。
・飲み物(お茶・ミネラルウォーター):1,000円〜2,500円程度。ペットボトルの緑茶やミネラルウォーターのセットが扱いやすい選択肢です。
・精進料理・仕出し弁当:5,000円〜10,000円以上。故人へのお供えだけでなく、帰省客の食事も兼ねる場合は専門店に注文するケースがあります。
なお、インターネット通販では品目がセットになったお盆用ギフトが多く、送料込みで割安に購入できる場合もあります。その際は配達日や配送地域を必ず確認しましょう。
お供えの量の目安
お盆のお供えは、仏壇や祭壇の広さ、参拝する人数に合わせて適切な量を用意することが大切です。
仏壇がコンパクトな場合は、果物は1種類盛り、仏花を1束、お線香とろうそくを各1箱ずつ用意するだけでも十分です。費用は全体で5,000円前後に収まります。
大きな祭壇や親戚一同が集まる場合は、果物を2〜3盛り、仏花を2束程度用意し、線香・ろうそくは予備も含めて2箱ずつ用意すると安心です。和菓子や飲み物は参列者一人あたり150円〜300円を目安に計算すると、総額8,000円〜12,000円程度になります。
お盆のお供えの飾り方
お盆のお供えの配置
まず、故人をお迎えする精霊棚(しょうりょうだな)や仏壇の上段にお供えを配置します。三段の供物台を用意する場合は、上段に果物や故人の好物、中段にお菓子や和菓子、下段に飲み物や季節野菜を並べるとバランスがよく見栄えが整います。供物台がない場合は、漆器の膳や白い布を敷いた御膳(ごぜん)の上に直接並べても構いません。
お供え同士の間隔は均等にあけ、向かって左側に線香立て・ろうそく立て、右側に花立てを配置します。中央には迎え火用の小皿と炭を用意しておくと、夜の迎え火・送り火の際にそのまま使えて便利です。
果物は下から見ても美しく見えるよう、大小を組み合わせ、高さを意識して積み上げます。季節の果物は色合いが豊かなものを選ぶと、精霊棚全体が華やかになります。故人の好物は必ず中央に近い位置に置き、敬意を示しましょう。
お供えの時期と片付け
お盆のお供えは、一般的に8月13日の夕方、迎え火を焚く前までに準備します。迎え火の火床に使った炭は、そのまま小皿に戻し、精霊棚の中央に置いておくと伝統的な飾り付けになります。精霊棚や仏壇の前には提灯や絵灯篭を配置し、17時〜18時頃の薄暗い時間帯に灯りをともすと、故人を迎える雰囲気が整います。
お盆の最終日である16日または17日の朝には、まず花立ての水を取り替え、ろうそく・線香を最後に灯して故人を送り出します。その後、お供え物は仏さまや精霊に感謝しながら下げます。食べ物は家族でいただくか、庭先に埋める、川に流すなど地域の習わしに従って処分し、器は丁寧に洗浄して清潔に保管してください。
お盆のお供えのマナー
お供えに避けるべきもの
傷みやすい生もの
お盆は8月のお供えで湿度や気温が高く、刺身や豆腐、生菓子などの生ものは傷みやすくなります。腐敗すると不敬と受け取られる場合があるため、干物や缶詰、日持ちのする乾物や真空パック商品を代わりに選ぶと安心です。
嫌忌される色や形
仏壇や精霊棚に供える品は白や淡い色を基調とし、赤や黄色の極端に鮮やかな色は避けるのが一般的です。花は棘のあるバラやユリのようにトゲや刺激の強いものより、白菊や紫陽花など柔らかな印象のものを選びましょう。
忌み言葉を連想させる品
「切る」「裂く」「割る」といった動作を連想させる包丁やはさみ、鏡餅のように裂くことを前提とした品物は縁起が悪いとされます。言葉の持つイメージにも配慮して品物を選ぶことが大切です。
お供えののし紙の書き方
表書きの決まり
お盆のお供えには宗派や地域の風習に合わせて「御仏前」「御供物」「御盆志」などの表書きを用います。浄土真宗では「御仏前」が一般的ですが、事前に菩提寺や先祖代々の慣習を確認すると安心です。
掛け方と水引の種類
のし紙は外包みの上に掛け、水引は何度も繰り返さない結び切り(双銀または白黒)を使用します。包みは左側を先にかぶせ、右側を重ねる「左前」の包み方が仏事では基本です。
名前の書き方
のし紙下段中央に施主または贈り主の氏名をフルネームで楷書で丁寧に書きます。省略やペン書きは避け、毛筆または筆ペンで、はっきりと読みやすい字を心がけましょう。
まとめ
お盆のお供えは、故人への感謝を伝える大切な行事です。季節の果物や故人の好物、お線香やお花など、定番と季節感を取り入れた品を選びましょう。地域や宗派で習慣が異なるため事前に確認し、予算は一般的に3,000~10,000円程度が目安です。配置やのし紙の書き方、片付けのタイミングにも注意し、心を込めたお供えで思いを届けましょう。
記事監修者
小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。
