ぎっくり腰になった時の対処法ややってはいけないこと、治るまでの期間も解説

2025/06/07

ぎっくり腰の原因や代表的な症状を詳しく解説し、発症直後に実践すべき正しい安静法・冷温法の使い分け、避けるべきNG行動、痛みのピークや慢性化を防ぐポイントを押さえ、痛みを和らげるストレッチやセルフケア、整形外科・整骨院の受診目安、回復までのおおよその期間、日常生活での姿勢改善や筋力強化、生活習慣の見直しなど再発予防策まで、幅広く網羅的にガイドします。

ぎっくり腰とは突然起こる腰の激しい痛み

ぎっくり腰は、正式には「急性腰痛症」と呼ばれ、文字通り突然発生する鋭い腰の痛みを指します。日常動作のちょっとしたきっかけで、腰椎周辺の筋肉や靱帯、関節包などの組織に負荷がかかり、強い炎症や筋痙攣(けいれん)が起こることで激痛が走ります。

典型的な発症パターンとしては、重い荷物を持ち上げた瞬間や、顔を洗おうとかがんだ際、くしゃみをしたときなど、誰もが普段行うような動作中に唐突に感じる痛みです。これにより、腰を屈曲させる動きが制限され、いわゆる「ぎっくり腰ロック」と呼ばれる腰の可動域制限が生じる場合もあります。

痛みの原因は、腰部の脊柱起立筋や多裂筋といった筋肉の損傷や炎症、または椎間関節や椎間板周囲の靱帯の微小断裂といった組織の損傷にあります。突然のストレスによって血管や神経が刺激されることにより、患部の腫れや熱感、さらには安静時にも響くズキズキとした痛みが現れます。

ぎっくり腰は重症度によって軽度から重度に分けられますが、いずれも発症直後から痛みがピークに達し、場合によっては歩行や体位変換が著しく困難になります。適切な初期対応を行わないと、痛みの慢性化や再発リスクが高まるため、早期に正しい知識をもって対処することが重要です。

ぎっくり腰になった直後の正しい対処法

ぎっくり腰は発症直後の対応次第で痛みの長引きや悪化を防ぐことができます。ここでは急性期の炎症を抑え、早期回復を目指すための3つのポイントを紹介します。

まずは安静が最優先

激しい痛みがある場合は動くと症状が悪化するため、まずは安静にします。硬めのマットレスやフローリングの上など、腰が沈みすぎない環境で仰向けに寝るか、膝を軽く曲げたうつぶせ寝で腰への負担を軽減しましょう。痛みが強いうちは長時間の立ち仕事や中腰の姿勢を避け、必要最低限の移動に留めることが大切です。

患部を冷やすべきか温めるべきか

ぎっくり腰の急性期(発症から48~72時間)は炎症がピークに達しやすいため、まずは冷却して腫れと痛みを抑えましょう。氷嚢や保冷剤を薄いタオルで包み、15分程度患部に当てることを1日に数回繰り返します。市販のアイスノンや氷のうも利用できます。

急性期を過ぎて痛みや腫れが落ち着いてきたら、温熱療法に切り替えます。湯たんぽや電気毛布、ホットパック(市販の温熱シート)を用い、10~15分程度ゆっくり温めることで血流を促進し、筋肉のこわばりを改善します。

ぎっくり腰で楽な姿勢を見つける

痛みが落ち着いた後も姿勢次第で辛さが変わります。仰向けのときは腰の下に丸めたバスタオルを当て、自然なS字カーブをサポートすると安定感が増します。横向きに寝る場合は膝の間にクッションや抱きまくらを挟み、骨盤がねじれないようにすることで負担を減らせます。

座る際は、椅子の背もたれと腰の間にタオルを丸めたサポートクッションを入れ、背筋をまっすぐに保ちましょう。骨盤を立てるイメージで座ると、腰への圧迫が軽減されます。

ぎっくり腰になった時にやってはいけないこと

無理に動かそうとしない

ぎっくり腰の急性期は腰椎周辺の筋膜や靭帯が損傷し、強い炎症反応を起こしている状態です。痛みをごまかして無理に立ち上がったり体をひねったりすると、炎症が広がって症状が悪化しやすくなります。重い荷物を持つ、長時間歩く、無理に腰を反らせるなどの動作は避け、痛みのない楽な姿勢でしっかり安静を保ちましょう。

急性期に温める行為は避ける

発症直後の48~72時間は、微小出血や腫れが起きやすい時期です。このタイミングで温めると血行が過剰に促進され、炎症や腫れが長引く恐れがあります。アイシングや冷湿布で患部を冷却し、氷嚢(アイスノン)や市販の保冷剤をタオルで包んで当てることで腫れと痛みを抑えましょう。使い捨てカイロやホットパックは炎症が治まってから使用してください。

ぎっくり腰の患部を強く揉まない

炎症が残っている急性期に無理なマッサージや指圧を行うと、筋肉や靭帯の損傷部位がさらに広がり、痛みが長引く原因になります。整骨院やマッサージ店での強い手技、セルフマッサージ用ローラーやフォームローラーでの強揉みは避け、ストレッチや軽い関節可動域訓練を行う場合も、炎症が十分に落ち着いてからにしましょう。

ぎっくり腰で病院に行くべきか判断する目安

ぎっくり腰は多くの場合、安静と適切なケアで回復しますが、重篤な症状を見逃すと後遺症や慢性化のリスクが高まります。以下の目安を参考に、専門医への受診を検討してください。

すぐに医療機関を受診すべき症状

次のような症状がある場合は、早急に整形外科をはじめとする医療機関で診察を受けましょう。

  • 下肢のしびれや麻痺が急激に進行している
  • 排尿・排便障害(尿意がわからない、便が出にくい)
  • 38℃以上の発熱を伴う腰痛
  • 安静にしても痛みが強く改善しない
  • 外傷(転倒や強い衝撃)後の急激な痛み

これらは椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、急性の神経圧迫など重篤な疾患の可能性があるため、MRIやレントゲン検査、神経学的検査での迅速な診断が必要です。

ぎっくり腰は何科を受診すべきか

ぎっくり腰の疑いがある場合、主に下記の診療科や施設を選ぶと適切に対応を受けられます。

整形外科

整形外科ではレントゲンやMRIなどによる画像診断を行い、骨や椎間板、神経への異常を確認できます。必要に応じて鎮痛剤、注射(硬膜外ブロック)、理学療法士によるリハビリテーションを組み合わせた治療を実施。慢性腰痛への移行を防ぐための運動療法や筋力トレーニング、姿勢指導も受けられます。

整骨院や接骨院

整骨院・接骨院では国家資格を持った柔道整復師による手技治療やテーピング、電気治療(低周波治療器など)を用いたケアが中心です。保険適用内で急性期の炎症を抑え、筋肉の緊張を和らげることができます。ただし骨折やヘルニアなどの疑いがある場合は、先に整形外科での診断を受けることが望ましいでしょう。

ぎっくり腰が治るまでの一般的な期間

ぎっくり腰は急性の腰痛症状ですが、適切な安静とセルフケアを組み合わせることで、以下のような経過をたどりながら改善していきます。個人差はありますが、おおむね1か月程度で日常生活に支障のないレベルまで回復することが多いです。

発症から回復までの経過

ぎっくり腰の経過は大きく3つのフェーズに分けられます。

1. 急性期(発症~72時間程度)
発症後は炎症がピークとなるため、まずは絶対安静を心がけます。痛みが強い場合は、市販の鎮痛消炎薬(ロキソニンSなど)や冷湿布(サロンパス、フリクションαなど)を使用し、炎症と痛みを抑えることが重要です。

2. 遷延期(3日~2週間)
痛みが少し落ち着いてきたら、ベッド上だけで過ごすのではなく、痛みと相談しながら短時間の歩行や軽いストレッチを取り入れます。過度な安静は筋力低下を招くため、筋肉のこわばりをほぐす程度の動きを徐々に増やします。

3. 回復期(2週間~1か月以降)
日常生活での動作(立ち上がり、座る、歩く)が徐々に問題なく行えるようになってきます。痛みがほとんど消失すれば、勤務復帰や家事・育児への復帰も可能です。

痛みが引いてきたら徐々に動かす

急性期を過ぎると、むやみに安静にしすぎることは逆効果です。以下のポイントを意識しながら、徐々に動きを増やしましょう。

・軽いストレッチ:腰を大きく反らさず、背筋を伸ばす程度のストレッチを1日2~3回、各10~15秒ほど行います。
・ウォーキング:最初は5分程度から始め、痛みが出なければ徐々に10分、15分と延ばします。
・筋力トレーニング:腹筋や背筋といった体幹のインナーマッスルを鍛えるエクササイズ(プランクやブリッジなど)を、痛みの出ない範囲で週2~3回行います。

これらを継続することで筋肉の柔軟性と安定性が回復し、再発しにくい腰を作ることができます。

ぎっくり腰の再発を防ぐための予防策

日常生活での正しい姿勢を意識する

立ち仕事やデスクワークの際は、耳・肩・股関節が一直線上に並ぶように意識しましょう。腰を反らせすぎず、背骨の自然なカーブを保つことで腰椎へのストレスを軽減できます。椅子はエルゴノミクス設計のものを選び、腰用クッションを併用して骨盤を立てるように座ると効果的です。

歩行時はかかとからつま先へと重心を移動させる正しい歩き方を身につけると、インナーマッスルやふくらはぎの筋力がバランスよく働き、腰痛再発のリスクを下げることができます。

適度な運動とストレッチで体を整える

ぎっくり腰の予防には、体幹トレーニングや柔軟性の向上が欠かせません。プランクやサイドプランク、ピラティスやヨガの簡単なポーズで腹横筋・腸腰筋といったインナーマッスルを鍛えましょう。これにより腰椎を安定させ、負担を分散できます。

ストレッチではハムストリングス、大腿四頭筋、臀部まわりを中心にゆっくり伸ばすことがポイントです。ストレッチポールやフォームローラーを使った筋膜リリースを週に数回取り入れると、筋肉の緊張がほぐれて柔軟性が向上し、再発予防につながります。

ぎっくり腰予防に役立つグッズの活用

市販の骨盤ベルトや腰痛ベルトは腰部をサポートし、日常的な負担を軽減します。立ち仕事や長時間の座位の際に装着すると、骨盤のゆがみを抑えつつ軽度の荷重を分散してくれます。

寝具は高反発マットレスや適度な硬さの敷き布団を選び、就寝中の腰椎カーブを維持しましょう。さらに、デスクワーク時にはバランスボールチェアや足置き用フットレスト、エクササイズ用の腹筋ローラーを取り入れると、日常的に筋力強化と血行促進が図れ、腰痛予防に役立ちます。

まとめ

ぎっくり腰は急性期に無理な動作や強い熱刺激を避け、まずは安静と冷却を優先することで炎症を抑えられます。痛みが和らいだら徐々にストレッチを取り入れ、日頃から正しい姿勢や適度な運動で体幹を強化しましょう。また痛みが激しい場合やしびれを伴う場合は整形外科への受診を推奨します。コルセット、ストレッチポール、骨盤ベルトなどを活用し、再発予防に努めてください。

小野 聰司

記事監修者

小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。