空き家整理のやり方から業者に依頼する場合の費用相場も紹介

2025/04/14

本記事では、空き家整理の必要性や放置リスクを解説し、自分で行う方法から不用品回収・遺品整理・ハウスクリーニング・解体工事など業者依頼の費用相場、補助金活用法、信頼できる業者選びのポイント、手続きや見積もり時の注意点も紹介し、FAQで疑問をすっきり解決します。

空き家整理とは?

空き家整理とは、所有者が居住していない建物やその敷地内に残された家具・家電・雑貨などの不用品を分別・処分し、清掃や点検、必要に応じて修繕を行うことで、安全性や資産価値を維持・向上させる一連の作業を指します。適切に整理することで売却や賃貸、相続後の管理がスムーズになり、周辺環境への悪影響を防げます。

空き家整理が必要なケース

相続した空き家の整理

親族から相続した空き家は、遺品や廃棄物がそのまま残っていることが多く、整理しないまま放置すると管理責任が増大します。専門家による遺品整理や貴重品の確認、不要物の処分を早めに行うと、次の売却・活用に向けた準備が円滑になります。

売却前の空き家の整理

売却を検討する際、内覧前に室内外をきれいに保ち、修繕が必要な箇所を明確にしておくと査定額の維持・向上につながります。不要な荷物を処分し、壁紙の張り替えやクロス補修などを施すことで、買い手の印象を良くし、交渉を有利に進められます。

賃貸前の空き家の整理

賃貸物件として貸し出す場合は、入居者が安心して住めるよう、ハウスクリーニングや害虫駆除を徹底する必要があります。キッチンや浴室の水まわり点検、電気・ガス設備の動作確認を行い、契約前に「すぐ住める状態」を整えておくことが重要です。

長期間放置していた空き家の整理

数年以上放置された空き家は、カビや埃の堆積、ネズミや害虫の住みつき、構造部分の劣化が進んでいることがあります。専門業者による点検・清掃・害虫駆除を実施し、安全性を確保した上で、不用品を撤去して建物の再利用や解体の検討を行います。

空き家整理を放置するリスク

建物の老朽化

定期的な換気や点検が行われないと、屋根の雨漏りや床下の湿気による腐朽が進行し、補修費用が高額になります。ひび割れやシロアリ被害に気づきにくく、耐震性能の低下を招く恐れもあります。

犯罪の温床になる可能性

人の目が届かない場所は不法侵入や放火の標的になりやすく、違法投棄の場として利用されることもあります。近隣住民の治安不安を招き、地域のイメージダウンにもつながります。

近隣住民とのトラブル

雑草の繁茂や不用品の飛散、悪臭の発生が原因で苦情や訴訟に発展するケースがあります。放置することで自治体からの指導・勧告や行政代執行の対象となり、費用負担が増すリスクもあります。

固定資産税の負担

空き家は「特定空家」に認定されると税制優遇が受けられなくなり、固定資産税の税率が最大6倍に引き上げられる場合があります。適切に整理・活用することで、税負担の軽減や補助金活用の可能性が広がります。

空き家整理のやり方

自分で行う空き家整理

不用品の分別

まずは家財や日用品を「燃えるごみ」「燃えないごみ」「資源ごみ」「粗大ごみ」「家電リサイクル対象品」「貴重品・思い出品」の6カテゴリーに分けます。市区町村が定める分別ルールを確認し、分別シールや専用袋を用意しましょう。衣類や布製品は古着回収ボックスへ、紙類やダンボールは新聞回収の日に出すなど、リサイクルできるものは積極的に資源化を図ります。貴重品や思い出の品は後回しにせず、発見次第すぐに別箱へ保管し、紛失リスクを避けましょう。

不用品の処分方法

分別後の不用品は、まず市町村の「粗大ごみ受付センター」へ連絡し、収集日時を予約します。家電リサイクル法の対象品(テレビ・冷蔵庫・エアコン・洗濯機)は購入店または指定引取所に持ち込むか、リサイクル券を購入して事業者へ引き渡します。リサイクルショップへの買取依頼やフリマアプリでの出品も検討し、売却益で処分費用を軽減できます。軽トラック1台分以上の大量処分は自治体のクリーンセンター持ち込みや有料の粗大ごみパックを利用するのが効率的です。

不用品回収業者に依頼する

不用品回収業者選定のポイント

信頼できる業者選びの第一条件は「一般廃棄物収集運搬許可」または「産業廃棄物収集運搬許可」を取得していることです。加えて「遺品整理士」や「終活カウンセラー」などの資格保有、損害賠償保険加入、明朗会計の料金体系が明示されているかを確認しましょう。口コミや実績、対応エリアも合わせてチェックし、悪質な“無料”広告に注意します。見積もり時の追加費用やオプションサービスの有無も必ず確認してください。

不用品回収業者への依頼の流れ

1. 問い合わせ:電話やメールで処分品の種類・量を伝え、概算見積もりを取得。 2. 現地調査:無料で訪問見積もりを依頼し、実際の搬出経路や作業時間を確認。 3. 見積書の受領:内訳明細や追加費用の条件を確認し、納得の上で正式依頼。 4. 日程調整:作業日を決定し、鍵の受け渡し方法や立ち会いの有無を相談。 5. 作業当日:スタッフが搬出から清掃まで行い、完了後に写真報告。 6. 支払い・証明書発行:現金または銀行振込で支払い、領収書や産廃処理証明書を受け取って完了となります。

空き家整理の費用相場

不用品回収の費用相場

不用品回収の費用は、処分する品目の量や種類、搬出作業の難易度、トラックの台数・サイズによって変動します。目安としては、軽トラック(1.5㎥程度)1台分で3万円~5万円、2トントラック(4㎥程度)1台分で8万円~12万円が一般的です。マンション1Kであれば3万~5万円、2LDKであれば8万~12万円、戸建て3LDKになると15万~25万円程度が相場です。

費用内訳は、運搬費・作業費・処分費(産業廃棄物収集運搬費を含む)が含まれます。階段作業やエレベーター使用不可、離島・山間部などの遠隔地では追加料金が発生する場合があるため、事前の無料見積もりでしっかり確認しましょう。

ハウスクリーニングの費用相場

ハウスクリーニングの相場は、間取りや清掃箇所の広さによって異なります。1R・1Kの簡易清掃で2万~3万円、1LDK・2Kで3万~5万円、2LDK・3Kで5万~8万円、戸建て3LDKで8万~12万円、4LDK以上の一軒家は12万~18万円程度が目安です。

料金にはキッチン・浴室・トイレ・洗面台・床面の基本清掃が含まれ、窓ガラスやエアコンクリーニングはオプション扱いとなることが多いです。清掃範囲やハウスメーカー指定の品質基準がある場合は、追加料金が発生するため見積もり時に範囲を明確にしましょう。

解体工事の費用相場

解体工事費用は、建物の構造(木造・鉄骨造・RC造)、延床面積、立地条件、アスベストの有無などで大きく変わります。木造住宅の場合、1坪あたり25万~35万円が一般的です。30坪の木造一戸建てなら750万~1,050万円が相場となります。

鉄骨造・RC造では1坪あたり50万~70万円が目安です。産業廃棄物処理費や重機搬入費、近隣への養生・工事届出費用なども含まれるため、複数社の相見積もりで比較するとよいでしょう。小規模な物置や倉庫のみを解体する場合、総額が100万~200万円程度になるケースもあります。

遺品整理の費用相場

遺品整理は、単なる不用品回収と異なり、丁寧な仕分けと供養・リサイクル処理が求められます。1Kの場合で5万~10万円、1LDK・2Kで10万~15万円、2LDK・3Kで15万~25万円、戸建て3LDK以上では30万~50万円が相場です。

費用には仕分け作業費・搬出費・処分費・車両費・スタッフ人件費が含まれ、遺品の供養や特殊清掃が必要な場合は別途料金が発生します。立会い不要でコース割引を適用する業者もあるため、サービス内容と明細を確認して見積もりを依頼してください。

空き家整理に関する補助金・助成金

空き家整理に活用できる補助金・助成金

空き家整理には解体費用やリフォーム費用、専門家への相談料など多様なコストが発生します。これらの負担を軽減するために、国や自治体では補助金・助成金制度を用意しており、制度を活用することで経済的に余裕を持って整理を進められます。

各自治体の補助金・助成金

東京都中央区では「老朽空き家等解体撤去費補助金」を実施しており、耐震性が低い老朽空き家の解体費用の一部を補助します。上限額や補助率は年度ごとに異なるため、区役所の窓口で詳細を確認してください。

横浜市の「空家等対策補助金」は、空き家の除却や共有部分の修繕、耐震改修など幅広い工事を対象にし、工事費用の一部を助成します。申請には施工前の見積もり提出や耐震診断結果の報告が必要です。

札幌市が実施する「空き家利活用支援補助金」は、空き家を民間活用するための改修費用や設計・コンサルティング費用を対象とし、工事費用の2分の1以内で補助を受けられます。募集回数や予算に上限があるため、募集開始時期をチェックしましょう。

京都市では「空き家改修費補助金」を用意しており、耐震改修やバリアフリー化など安全性向上のための工事を対象に、工事費用の一部を補助します。登録建築士による工事計画書の提出が申請要件となっています。

国の補助金・助成金

国土交通省の「住宅ストック循環支援事業」では、省エネ改修や耐震改修、バリアフリー改修などを行う際に、補助金を交付します。条件や補助額は改修内容によって異なりますが、数十万円から100万円程度の支援が受けられる場合があります。

同じく国土交通省が実施する「空き家除却支援事業」では、老朽空き家の解体費用や撤去工事費用の一部を補助します。市町村を通じて申請する仕組みで、補助率や上限額は地域によって設定が異なります。

総務省が推進する「空き家利活用推進事業」では、空き家を賃貸住宅や民泊施設に再利用する際の改修費用や専門家活用費用に対して補助が行われます。制度の利用には利活用計画書の提出が必要です。

これらの補助金・助成金は、年度や自治体ごとに募集内容や予算が変動します。申請期間や必要書類を事前に確認し、自治体窓口や公式サイトで最新情報を入手したうえで手続きを進めることが重要です。

補助金・助成金を賢く活用すれば、空き家整理にかかる経済的負担を大幅に軽減し、安全かつ効率的に作業を進めることが可能です。ぜひ各制度を比較検討し、最適な支援を受けて整理を完了させましょう。

空き家整理の業者選びのポイント

信頼できる業者の選び方

空き家整理を安心して任せるためには、業者が持つ許認可や資格、実績を確認することが重要です。まず一般廃棄物収集運搬業許可産業廃棄物収集運搬業許可の有無をチェックしましょう。これらの許可があれば、不用品や家財の適正処理が期待できます。

また、遺品整理を兼ねる場合は遺品整理士の資格保有者が在籍しているかを確認することで、故人の遺品を丁寧に扱う姿勢が見えます。さらに、過去の施工事例やお客様レビュー、地域の口コミも参考にし、整理実績が豊富な業者を選ぶと安心です。

万一の事故や損壊に備え、損害賠償保険への加入があるかどうかも確認しましょう。保険加入がある業者なら、万が一の際でも補償対応が受けられます。

悪質業者に騙されないために

悪質業者の手口として、見積もり時に詳細を提示せず現場到着後に高額請求をするケースがあります。作業前に必ず見積書を発行させ、料金項目が明確かを確認しましょう。

「即日対応」「格安」「無料診断だけでも」といった過度なキャッチコピーや、現場での煽り営業には注意が必要です。契約前に書面契約書を交わさず口約束のみで進める業者は避け、見積もりの有効期限キャンセル料もあらかじめ確認してください。

また、現金払いのみを強要する業者はトラブルのリスクが高まります。可能な限り銀行振込やクレジットカード決済に対応している業者を選びましょう。

見積もり時の注意点

見積もりは訪問見積もりを原則とし、対象物の量や建物構造、搬出経路をしっかり確認してもらいましょう。電話やメールのみでの簡易見積もりは、後で追加料金が発生しやすいため注意が必要です。

見積書には作業内容ごとの単価やトラック台数、人件費、資材費、廃棄物処理費などを項目別に記載してもらい、内訳を把握できるようにしてください。追加料金の発生条件や、オプションサービス(ハウスクリーニング・害虫駆除など)の費用もあわせて確認しましょう。

さらに、見積もりの際には作業日程や所要時間、おおよその作業員数を聞くことで、スケジュール感や作業の進め方がイメージしやすくなります。複数の業者から相見積もりを取ることで、相場感をつかみつつ、適正価格の業者を選定しましょう。

空き家整理のよくある質問

Q. 空き家整理にかかる期間はどれくらい?

一般的に空き家整理に要する期間は、物件の広さや残置物の量、作業範囲によって大きく変動します。自己処理の場合は荷物の分別・梱包・搬出・清掃まで含め、1LDK程度で2週間前後を見込むとよいでしょう。業者に依頼すれば、2LDKであれば概ね3〜7日程度、4LDK以上の大規模物件でも1~2週間で完了するケースが多いです。遺品整理を伴う場合や自治体への補助金申請手続きが必要な場合は、さらに1~2週間程度の余裕を見込むと安心です。

Q. 空き家整理の費用はどれくらい?

空き家整理にかかる費用相場は、不用品回収・遺品整理・ハウスクリーニング・解体工事の有無で大きく異なります。不用品回収は1tトラック1台あたり3〜5万円、遺品整理は20㎡以下で7〜15万円、ハウスクリーニングは1Kで3〜5万円が目安です。解体工事を行う場合は1坪あたり5〜10万円程度が一般的です。これらを合計すると、2LDKの物件であれば30〜60万円、4LDK以上では100万円以上になるケースもあります。ただし各自治体の補助金・助成金制度を活用すれば、全体の費用を数十%軽減できる可能性があります。

Q. 空き家整理で必要な手続きは?

空き家整理を行う際には、まず不動産の所有者や相続人間で権利関係を整理し、相続登記や名義変更を行う必要があります。次に、市区町村の補助金・助成金制度を利用する場合は、申請書類を用意して窓口へ提出し、審査を受けます。その後、遺品整理や不用品回収を専門業者へ依頼する場合は、見積もりを取り作業範囲や費用、日程を確認します。解体工事が必要な際は、建築確認申請や解体届出などの行政手続きを経てから工事を開始し、完了後にハウスクリーニングを行う流れが一般的です。

まとめ

空き家整理は、不用品分別から回収、ハウスクリーニング、解体工事、遺品整理までの費用相場を把握し、自治体・国の補助金を活用することがポイントです。相続、売却、賃貸など目的に応じて整理内容を明確化し、建物老朽化や犯罪リスクの回避を計画に盛り込みましょう。信頼できる業者を見積もり比較で選び、必要な手続きを事前に確認して計画的に進めることが、トラブル防止と適正価格実現のコツです。

小野 聰司

記事監修者

小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。