死亡届はいつまでに誰がどこに提出する?

2025/07/16

死亡届は死亡を知った日から7日以内に提出する義務があり、期限を過ぎても受理されるものの過料のリスクが生じます。本記事では提出期限の根拠、届出人の順位、提出先役所、必要書類、期限超過時の手続きまで詳しく解説し、火葬許可証を最短で受け取るために押さえるべきポイントが一読で分かります。

死亡届の提出期限はいつまで

死亡届は、戸籍法第86条により「死亡の事実を知った日から7日以内」に提出することが法律で定められています。期限を過ぎると過料の可能性があるため、葬儀準備などで多忙な中でも必ず期限内に届け出る必要があります。

提出期限は死亡を知った日から7日以内

「死亡を知った日」とは、医師から死亡診断書または死体検案書を受け取った日を指すのが一般的です。死亡届書には必ず医師の証明欄が必要になるため、証明書を受領した時点で期限のカウントが始まると考えておくと安心です。

カレンダーでの7日計算は、死亡を知った日を1日目として数えます。土日・祝日で役所の開庁時間に間に合わない場合でも、宿直窓口で24時間受け付けている市区町村が多いので、早めに問い合わせて手続きを進めましょう。なお、期限の最終日が役所の休日に当たる場合は、行政手続法の規定により翌開庁日まで延長されるため、焦らず確認することが重要です。

提出期限が過ぎてしまった場合の対応

何らかの事情で7日を超えてしまっても、死亡届自体が受理されなくなるわけではありません。まずは速やかに役所へ届け出て、遅延理由を正直に説明することが大切です。

過料の対象となる可能性

正当な理由なく提出が遅れた場合、戸籍法第135条に基づき5万円以下の過料を科されることがあります。過料は刑罰ではありませんが、支払い義務が生じる行政上の制裁です。遺族の経済的・精神的負担を増やさないためにも、遅延は避けましょう。

遅延しても受理されること

提出期限を過ぎても死亡届は受理されます。火葬許可証の発行は死亡届の受理が前提となるため、葬儀日程に直結する重要な手続きです。期限後でも速やかに提出すれば、その後の火葬や埋葬に支障を来すリスクを最小限に抑えられます。

期限を過ぎた場合の具体的な手続き

遅延届け出の際は、通常の死亡届書に加え、役所から求められた場合には「遅延理由書」や「陳述書」を添付します。記入例を窓口で確認し、搬送の遅れ・医師の診断書発行待ち・天候不良など、具体的な理由を明確に記載することでスムーズに受理されます。必要書類や書式は自治体により異なるため、事前に電話で確認することをおすすめします。

死亡届の届出人になれるのは誰

届出義務者と届出資格者

死亡届を提出する立場には、「届出義務者」と「届出資格者」の二種類があります。戸籍法第87条では、死亡を知った日から7日以内に届出をする義務を負う者を届出義務者と定めています。一方、義務者が何らかの理由で提出できないときに代わって提出できる者が届出資格者です。届出義務者の範囲は主に親族ですが、資格者には親族以外の同居人や施設管理者なども含まれるため、最終的に「誰が出せるのか」を理解しておくことが重要です。

一般的な届出人の順位

実務上は、次の優先順位で届出人が選ばれるケースが多く見られます。

  • ① 同居の親族(配偶者、子、父母、兄弟姉妹など)
  • ② 別居の親族(扶養義務者を含む)
  • ③ 同居者(内縁の配偶者や事実婚パートナーを含む)
  • ④ 家主・地主・家屋管理人
  • ⑤ 公的施設の長(病院長、老人ホーム長など)

優先順位は法律上の定めではなく慣例ですが、届出義務者・資格者の範囲内で上記の順に提出することで手続きが円滑に進むと言われています。葬儀社が提出代行を申し出ることもありますが、あくまで届出人本人の署名・押印が必要なため、実際の届出人を選定したうえで代筆・代行してもらう流れになります。

届出人がいない場合の対応

親族や同居者がいない場合、もしくは全員が提出できない事情がある場合には、以下のような方法で死亡届を提出します。

自治体による職権届出

市区町村長は、死亡の事実を知ったとき、戸籍法第89条に基づき職権で死亡の記載を行うことができます。行政が行うため遺族に過料が科されることは通常ありませんが、火葬許可証の発行が遅れると葬儀全体に影響するため、可能な限り親族等が届出することが望ましいです。

医師・警察への依頼

身寄りのない方が病院で亡くなった場合は、主治医や病院長が死亡の事実を自治体に連絡し、自治体が職権で処理します。また、事故死や孤独死など警察が関与するケースでは、警察署が死亡の通報を行い、その後自治体が職権届出を行うことがあります。いずれの場合も、火葬許可証の交付まで一定の時間がかかるため、葬儀日程の調整が必要です。

死亡届はどこに提出する

死亡届は戸籍法に基づく届出のため、提出先は「市区町村役場」に限定されています。ただし、どの市区町村役場でもよいわけではなく、法律で定められた範囲内で届け出る必要があります。誤った窓口に提出すると受理が遅れ、火葬許可証の取得やその後の諸手続きに影響を及ぼすおそれがあるため、事前に確認しておきましょう。

提出できる役所の種類

死亡届を受理できる市区町村役場は、次の三か所に限定されています。

  • 死亡地の市区町村役場 – 病院や自宅など、実際に死亡した場所を管轄する役所
  • 届出人の住所地の市区町村役場 – 届出人(親族など)が住民票を置いている自治体
  • 本籍地の市区町村役場 – 故人または届出人の本籍がある自治体

たとえば「故人は横浜市で亡くなり、本籍は新潟市、届出人は東京都世田谷区在住」の場合、横浜市・新潟市・世田谷区のいずれの役所でも提出が可能です。なお、都道府県庁や出張所・行政サービスコーナーなど、市区町村役場以外の窓口では原則受理されません。提出先を間違えると受理まで日数がかかることがあるため、火葬や葬儀の日程が決まっている場合は特に注意が必要です。

提出窓口と時間

死亡届は「戸籍担当課(戸籍係)」が正式な窓口ですが、市区町村によって呼称が「市民課」「区民課」「住民課」と異なる場合があります。役所の庁舎内で迷わないよう、案内表示や総合受付で確認しましょう。

  • 平日の日中 – 役所の開庁時間内(通常8:30~17:15)に戸籍担当窓口で受理
  • 夜間・休日 – 守衛室または宿直室で「時間外受付」として預け入れ可能(翌開庁日に正式審査)
  • 年末年始 – 12月29日~1月3日も時間外受付で預け入れできるが、審査は開庁日に行われる

時間外に提出した場合でも届出日自体は預け入れた日付で記載されますが、火葬許可証の発行は翌開庁日になることが多いため、葬儀社や火葬場の予約と調整しておくと安心です。役所によっては事前連絡により夜間でも職員が対応し、当日中に火葬許可証を発行してくれるケースもあるので、急ぎの場合は管轄役所に問い合わせるとよいでしょう。

死亡届の提出に必要なものは

死亡届は「死亡を知った日から7日以内」という提出期限があるため、事前に必要物をそろえておくことが重要です。ここでは役所の戸籍担当窓口で必ず確認される3点と、用意の際の注意点を解説します。

死亡届書

死亡届書は、市区町村役場・病院・葬儀社などで配布されています。用紙の右側は医師が作成する死亡診断書または死体検案書になっており、切り離さず原本を提出します。コピーやスキャンデータでは受理されません。届出人欄には本籍地や続柄を正確に記入し、訂正が生じた場合は二重線と訂正印を使用します。提出時に折り目や汚損があると字が読みにくくなるので、クリアファイルに入れて持参すると安心です。

届出人の印鑑

届出人が届出書に押印した印鑑の現物を持参します。多くの自治体では認印で差し支えありませんが、浸透印(シャチハタ)は不可とする自治体もあるため、朱肉を使う印鑑を用意しましょう。同日に火葬許可や預貯金の凍結解除など追加手続きを行う場合は、実印と印鑑登録証を携行すると手続きが一度で済むことがあります。

届出人の身分証明書

本人確認のため、顔写真付きの公的身分証明書(マイナンバーカード・運転免許証・パスポートなど)の原本が求められます。健康保険証や介護保険証など顔写真のない証明書しかない場合は、自治体によっては2点提示で代替できることがあります。いずれにしても有効期限内のものを持参し、提示後に窓口でコピーを取られる場合があるため、紛失防止のためにケースに入れたまま提示できる状態にしておくと良いでしょう。

死亡届提出後の手続きの流れ

死亡届が受理されると、市区町村役場は戸籍の記載を更新し、同時に火葬・埋葬許可証を発行します。ここから先は、遺族が葬儀の準備を進めつつ、公的年金や健康保険、相続など多岐にわたる行政・民間の手続きを段階的に行う必要があります。

死亡届の受理と火葬許可証の発行

死亡届を書類審査で問題なく受理されると、通常その場で火葬許可証(埋葬許可証)が交付されます。火葬許可証は火葬場や墓地で必ず提示を求められるため、原本を紛失しないよう十分注意してください。

受理証明書の取得

役場で「死亡届受理証明書」を発行してもらうと、金融機関や保険会社、年金事務所などで戸籍謄本の代替書類として利用できる場合があります。交付手数料は自治体ごとに数百円程度で、複数枚取得しておくと後の手続きを円滑に進められます。

火葬許可証の受領方法

火葬許可証は届出窓口で即日交付されるのが一般的ですが、窓口時間外に届出をした場合は翌開庁日に受領となることがあります。葬儀社に代理受領を依頼する場合は、委任状や届出人の身分証明書が必要になるケースもあるため事前確認が重要です。

火葬許可証の再発行

万が一紛失した場合は、届出を行った市区町村役場で再発行申請が可能です。本人確認書類と印鑑が必要で、再発行手数料がかかる自治体もあります。再発行には数日要することがあるため、葬儀日程に影響が出ないよう早めに手続きしてください。

その後の手続きへの影響

死亡届の受理によって戸籍と住民票が更新されると、遺族は社会保険や税、相続関連などの法定期限付き手続きを順次進める必要があります。放置すると給付金が受け取れなくなったり、延滞税・加算税が課される恐れがあるため、優先順位を整理して対応しましょう。

公的年金の停止・未支給年金請求

厚生年金や国民年金の受給者が亡くなった場合、年金事務所に「年金受給権者死亡届」を提出し、同時に未支給年金の請求を行います。提出期限は死亡を知った日の翌日から10日以内が目安で、戸籍謄本または死亡届受理証明書、受取口座の通帳などが必要です。

健康保険・介護保険の資格喪失

国民健康保険や後期高齢者医療制度加入者が亡くなった場合、14日以内に「資格喪失届」を提出し、保険証を返却します。介護保険被保険者証も同時に返却し、自己負担分の精算や高額介護サービス費の手続きを行います。

住民票・戸籍の反映

死亡届の受理後、役場は住民票の除票作成と戸籍への死亡記載を行います。これにより世帯主が死亡した場合は「世帯主変更届」を提出し、公共料金や銀行口座など各種契約の名義変更に使用する住民票除票や戸籍謄本を取得できるようになります。

相続関連の開始と必要書類

死亡が戸籍に反映された時点で相続が開始します。遺産分割協議書の作成、銀行口座の凍結解除、生命保険金請求、不動産の相続登記、相続税申告(10か月以内)などを進める際、戸籍謄本・除籍謄本一式、印鑑証明書、固定資産評価証明書などが必須です。相続放棄を検討する場合は、家庭裁判所へ死亡を知った日から3か月以内に申述書を提出します。

死亡届に関するよくある疑問

死亡届の控えはもらえるのか

死亡届は戸籍法上の届出書類であり、提出後の原本は役所に保管されるため返却されません。ただし、相続手続きや保険金請求などで提出済みであることを証明する書類が求められる場合が多くあります。その際は「死亡届出済証明書」または「死亡届受理証明書」を発行してもらうことが可能で、届出と同時に窓口で依頼すれば即日交付されるのが一般的です(手数料は300円程度)。複数部必要になるケースもあるため、必要枚数を事前に確認しておきましょう。また、戸籍謄本(全部事項証明書)や除籍謄本には死亡の事実が記載されるため、控えの代わりとして利用できる場面も少なくありません。火葬許可証・埋葬許可証は再発行が難しいため、提出先から原本返却の有無を確認し、コピーを保管しておくと安心です。

死亡届は郵送でも提出できるのか

戸籍法では窓口での届出が原則ですが、届出義務者が遠方在住・入院中などで来庁できない事情がある場合、郵送による届出も認められています。郵送する際は、死亡診断書(死体検案書)が付いた死亡届書に加え、届出人の署名押印、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)の写しを同封し、簡易書留やレターパックプラスなど配達記録が残る方法で送付します。書類に不備があると受理保留となり火葬許可証の発行が遅れるため、送付前に記載内容を葬儀社や役所へ電話で確認すると安全です。郵送が間に合わない場合は、葬儀社職員や親族などを代理人として委任状とともに提出してもらう方法もあります。

死亡届提出後の戸籍や住民票はどうなるのか

死亡届が受理されると、戸籍には「令和○年○月○日死亡」と記載され、身分関係が法的に確定します。これをもとに住民基本台帳から当該者の住民票が除かれ、「除票」として5年間保存されます。戸籍の反映には数日から1週間程度を要することがあり、その間に戸籍謄本を取得すると死亡記載が反映されていない場合があります。急ぎの手続きには死亡届受理証明書や火葬許可証を代替書類として使用できるか、手続き先に確認しておくとスムーズです。住民票除票が作成されると、国民健康保険や介護保険、印鑑登録、マイナンバーカードなどは自動的に失効しますが、年金受給停止や金融機関の口座凍結解除などは別途届出が必要です。戸籍謄本や住民票除票を取得して、相続税申告、不動産登記変更、クレジットカード解約などの各種手続きを計画的に進めましょう。

まとめ

死亡を知った日から7日以内の届出が原則で、過ぎると過料対象となるものの受理自体はされる。届出人は親族など届出義務者が優先し、不在時は同居人や家主も届出可能。提出先は死亡地・本籍地・届出人所在地の市区町村役場で、医師記入済み死亡届書・印鑑・本人確認書類が必須。受理後に火葬許可証が発行され、相続や年金など各種手続きへ進めるため、期限遵守と迅速行動が遺族の負担軽減につながる。

小野 聰司

記事監修者

小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。