余命宣告を受けた場合にやっておきたいこと

2023/03/11

余命宣告を受けた場合は、ショックが大きく何も手につかなくなることもあるでしょう。気持ちの整理をするには、時間を要することになるのは当然ですが、現状を受け止める必要があります。

余命宣告を受けた場合は、限られた命をどのようにして過ごすのかがとても重要です。この記事では余命宣告を受けた際に、やっておきたいことなどを紹介します。

その①生命保険会社に連絡をする

余命宣告を受けた場合は、加入している生命保険会社に連絡して、契約内容の確認をおこないましょう。生命保険会社が提供しているプランによっては、余命6ヵ月以内と宣告を受けたときに死亡保険金の一部または、全額を存命中に受け取れる特約があることがあります。

このようなプランに自身が加入している場合は、保険金を生前に受け取ることができます。保険金を生前に受け取ることにより、この先の医療費の支払いに充てたり、先進医療などを受けたりすることもできるので、必ず自身が契約している内容を確認するようにしましょう。

その②財産目録・相続の準備をする

最も揉めやすいことが遺産相続です。まず財産目録を作成しましょう。相続では預金などのプラスの財産だけではなく、借金やローンなどのマイナスの財産もすべて対象になります。このため、マイナスの資産が多い場合は、相続人が借金を返済する必要があります。

事前にマイナスの財産があることがわかっていれば、相続放棄の手続きをすることもできるので、財産目録を作成して資産や負債をリストアップしておくことをおすすめします。

遺言書も同時に作成しましょう。遺言書を用意しておくことにより、家族同士の争いや揉めごとを未然に防ぐことができます。遺言書には自分で書く自筆証書遺言の他に、秘密証書遺言や公証人が作成を行なって管理する公正証書遺言などがあります。

自筆証書遺言は遺言書を遺す本人の手書きでなければなりません。自身で作成することができるので、費用や手間などかからない点がメリットですが、法的要件を満たしていないと無効になる場合があるので注意が必要です。

わざわざ用意した遺言書が無効になってしまうと、家族同士のトラブルを引き起こしてしまう恐れもあります。確実に遺言書を残したい場合は、法律のプロである公証人に遺言書の作成の依頼をすることをおすすめします。

その③整理をしなければならない書類をまとめる

役所などに返却しなければならないカードや書類関係がある場合は、亡くなった後に家族が困らないように、1つのファイルにまとめておきましょう。

クレジットカードや年金手帳・銀行の通帳・マイナンバーカードなどわかりやすく保管しておくと、亡くなった後の手続きがスムーズにおこなえるので、家族にかかる負担を軽減させることができます。

また、使わない会員証などがあれば、自身で解約手続きを行なったり、パスワードをメモに残したりしておくことも大切です。

その④親族や知人に伝えるのか考える

自身が余命宣告を受けた場合に、親族や知人に伝えた方が良いのか迷う方は少なくありません。余命を親族や知人に伝えることによって、その人たちを悲しませることになるのではないかと考えてしまうことは当然のことです。

必ず伝える必要はないので、どうするのか自身でよく考えることが大切です。伝えることに抵抗がある場合は、気持ちを手紙に綴って残しておくことも1つの方法です。

親族や知人の気持ちをくみ取りつつ自分らしい方法を選択して、後悔しないように行動するようにしましょう。

その⑤エンディングノートを書く

余命宣告を受けた場合は、エンディングノートを書くことにより、終活をスムーズにおこなえるようになります。家族の負担を軽減させたり、自身の気持ちを整理したりすることができます。

エンディングノートには氏名や生年月日・配偶者や子どもなどの連絡先・葬儀に関する希望などを細かく書くようにしましょう。自身の葬儀の希望を書いておけば、残された家族が葬儀の準備をする際の助けになります。

エンディングノートの書き方には遺言書のように決まった方式があるわけではないので、好きなノートなどに自由に書くことができます。しかし、エンディングノートは、遺言書とは違って法的拘束力はありません。

その⑥葬儀やお墓の準備をおこなう 

亡くなってから心の余裕がないまま葬儀の準備をおこなうことになると、葬儀プランや見積もりにじっくりと目を通すことができなくなる可能性があります。このようなことが起こらないためにも、自身で葬儀の方法を決めておきましょう。

葬儀の形式は家族葬や一般葬などなどさまざまです。葬儀の規模によってもかかる費用が異なるので、できれば複数の葬儀社から見積もりを取って、比較するようにしましょう。基本的に、葬儀の事前相談は無料なので活用すると良いです。

なお、葬儀社によっては生前会員制度があり、登録しておくことにより、迅速に対応できたり葬儀費用の割引などいろいろな特典が受けられたりする場合があります。

また、お墓の準備も生前におこなえます。最近ではお墓のあり方が多様化しており、一般墓の他に樹木葬や、納骨堂などがあります。生前にお墓の準備しておけば、希望のお墓を選ぶことができます。

例えば、後継者がいない方や、家族に負担をかけたくない方は手入れや管理がしやすい納骨堂を選ぶのがおすすめです。もしも、お墓を生前に購入した場合は、その旨を忘れずに家族に伝えておくことが大切です。家族が知らないと、そのまま気付かれずにお墓が放置されてしまう恐れがあります。

余命宣告を受けた場合にやるべき準備とは

余命宣告は年齢問わず、誰にでも起こりうることです。余命宣告を受けた場合にやっておきたいことは、生命保険会社に連絡する、財産目録・相続準備をする、エンディングノートを作成するなどが挙げられます。

事前に準備や整理をしておくことにより、残された家族にかかる負担を軽減させたり、自身の気持ちを整理できたりします。

小野 聰司

記事監修者

小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。