生前整理で仏壇の処分はどう行う?
2023/06/06
生前整理を進める中で、処分の方法に戸惑うのが仏壇の扱い方です。ご先祖様が祀られている尊い場所だけに、他のものと同じように処分することには大きなためらいが生じてしまいます。
仏壇は実際どのように片づければよいのでしょうか。この記事では、生前整理をする際の仏壇の正しい処分方法を、注意点も交えながら詳しく解説します。
目 次
仏壇を処分する前に必要なことは?
仏壇とはいうまでもなく、家の中でご本尊や各宗派の宗祖、ご先祖霊をお祀りするための大切な場所であり、家族にとって非常に大切なものです。
そのため、生前整理で仏壇を処分するにあたっては、事前に必ず家族と話し合って了解を得ておくことが必要です。また、仏壇の処分をする際には、しなくてはならない大切な儀式があります。それは「閉眼供養」という法要です。
これは仏壇に宿った仏の魂を抜くために行う儀式で、「魂抜き(たましいぬき)」や「お性根抜き(おしょうねぬき)」という場合もあります。
「閉眼」とは文字通り「目を閉じること」、これに対して「開眼」という言葉を用いた「開眼供養」という行事も行われます。開
眼供養は新たに仏壇を購入した際に行われるもので、これは新しく仏像を造る最後の工程として眼を描き、魂を入れたという言い伝えをもとに、仏壇にも応用したものとされています。
生前整理にあたりその役目を終えた仏壇は、魂を抜いてただの木箱に戻ります。その儀式が閉眼供養というわけです。
仏壇の処分はどこに頼めばよい?
では具体的に仏壇はどのように処分すればよいのでしょうか。通常では次の4つの方法が一般的とされています。すなわち「菩提寺への依頼」「仏具店への依頼」「粗大ごみとして処分」「専門業者への依頼」という方法です。それぞれの方法や注意点などについてまとめてみましょう。
菩提寺への依頼
菩提寺とは、先祖代々のお墓のあるお寺のことで、お墓のある家は檀家となって、お寺の宗派の作法に則って法要全般を執り行います。
そのため、仏壇の閉眼供養も含めて依頼することができ、その後の適切な供養の仕方や最低限残して置くべき仏具など、相談すべきことがすべて解決できて任せられるという安心感があります。ただし、その際にはお布施という形で費用を負担することが必要になります。
仏具店への依頼
仏具店の多くは、仏壇や仏具の販売を行うとともに、古い仏壇の下取りや処分の代行なども業務サービスに組み込んでいます。菩提寺がなかったり、あっても遠くて相談しに行くのも一苦労という場合には、仏具店に依頼することも一方法となります。
店によっては閉眼供養の手配をしてくれるところもあるので、相談してみるのがよいでしょう。ただし、処分にかかる費用については割高になる傾向があります。
粗大ごみとして処分
仏壇は、自治体の粗大ごみでも処分してもらえます。しかし中には収集サービスのない自治体もありますので、ホームページなどで住んでいる行政区の粗大ごみ収集方法について確認しておくことが必要です。
粗大ごみとして出す場合は、事前に閉眼供養をすませておくという点に留意します。また、回収日が決められていること、回収にあたっては自分で解体して小さくすることなどの注意点がありますので、事前の確認と準備をしっかりすませておくことが大切です。
専門業者への依頼
仏壇は回収専門業者に処分を依頼することもできます。特に遺品整理の専門業者であれば、決められた日に回収するのはもちろんのこと、閉眼供養の依頼やそれに伴う僧侶の手配などについても請け負ってくれるところがあります。
菩提寺までの運搬が手間で大変、仏具店に頼むのは気が引ける、自治体の粗大ごみとして回収してもらうには心理的に抵抗がある、という人であれば専門業者への依頼を検討するのがよいかもしれません。
また、専門業者であれば仏壇の処分だけでなく、生前整理に伴って処分する品々の中に買取ができるものも指摘してくれ、依頼すれば実際に買い取ってくれるケースもありますので、費用の面でもいくらか軽減できるというメリットがあります。
いずれの場合にも注意しなくてはならないのが、仏壇の処分にあたっては仏具も対象とするかどうかを事前に決めておくということです。
中には仏壇は処分するけれど、仏具に関しては対象外とされるケースがありますので、すべて処分してもらいたいと考える場合は、その旨を伝えて可能かどうか確認しておくことが大切です。
生前整理で仏壇を処分する際は、あらかじめ処分先とその方法を決めておくと安心
生前整理で仏壇を処分する前には、閉眼供養を行うのが一般的です。処分にあたっては一般物と異なり、非常にデリケートな扱いを必要としますので、事前にしっかりと処分先を決めておくと安心です。
依頼先としては「菩提寺」「仏具店」「粗大ごみ」「専門業者」などが考えられますが、専門業者であれば回収だけでなく、閉眼供養や僧侶の手配までしてくれるところもあります。
記事監修者
小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。