生前整理のやり方を流れに沿って解説!注意点も合わせて紹介!

2023/02/08

生前整理をしたいと思ったときに、具体的にどのようなやり方をしたら良いか迷ってしまう人もいるでしょう。やってみたら後悔してしまうのではないかと不安になる人もいるかもしれません。

この記事では生前整理の一般的なやり方の流れを手順に沿ってまとめました。生前整理をする上での注意点も詳しく解説するので参考にしてください。

生前整理を始める上での注意点

生前整理を始めようと決めたときには、無理がないように計画的に進めるのが大切です。生前整理をしようとして失敗しているケースとして多いのは、無理にやろうとして負担が大きくなってしまってあきらめたというパターンだからです。

生前整理では遺品として親族に相続してもらうものを一通り整理することを意味する場合が多いですが、広い意味では自分自身の整理を付ける行為でもあります。

単純にモノの整理をするだけでなく、人との関係性などの整理も生前整理に含まれるので、手広くやろうとすると大変な作業量になるのは明らかでしょう。

そのため、生前整理は必要性の高いところから始めて、ゆっくりと時間をかけて進めていくのが大切です。早い人は生前整理を40代や50代のうちから計画的に進めています。

体力や気力があるうちはスピーディーに進められるからです。老後になって体力や気力が低下してくると、生前整理に使えるエネルギーも少なくなってしまう場合があります。自分がどのくらい生前整理に力を費やせるかを考えて、無理のない計画を立てて進めていくのが生前整理をやり通すことにつながります。

生前整理をしていてストレスが溜まってくると、冷静に判断できずに貴重なものまで捨ててしまう場合もあるので、余裕のあるスケジュールで進めていくのが重要です。

一般的な生前整理のやり方

生前整理のやり方として最も一般的なのは、遺品として遺族に残ることになるモノを一通りチェックして不要なものを処分する方法です。大きく分けると4つのステップで生前整理を進めていきます。

1ステップ目は自分の所有物を確認することです。自分が何を持っているかを具体的に全部理解できていることはあまりありません。押し入れの中を見てみたら、記念品としてもらったアクセサリーや、若い頃に集めたコレクターアイテムが見つかることもあります。

まずは自分が持っているものをリストアップしましょう。リストにしておくと財産目録としてまとめて、遺産相続をスムーズに進めるための資料としても使ってもらえます。

2ステップ目は所有物を必要なものと不要なものに分けることです。所有物の中で今後の暮らしで使いたいものや、遺族にとって有用だと判断できるものは必要なので保管しましょう。

昔は使っていたけれど最近は全然使っていなくてこれからも使う予定がないものや、仮に家族に渡しても使わないものは不要です。いつか使うかもしれないと思って取っておいたものも、使っていないのなら不要なものと考えられます。

生前整理では捨てたくないけれど使わないというものも見つかることがよくあります。記念品や形見などは典型例ですが、このタイミングで処分してしまわないといつまでも捨てられないので不要品と考えるようにしましょう。

3ステップ目は不要なものの処分方法を検討して処分することです。自分の今後にとって不要なものでも、家族にとっては必要なものの場合があります。

生前整理のときには家族に残しても意味がないものは処分対象として考えた方が良いですが、実は処分しない方が良い場合もあるので注意しましょう。家族に残して喜んでもらえるか、困ってしまうかは直接聞いてみないとわかりません。

まずは不要なもののリストを作って家族に相談しましょう。そして、確かにいらないと言われたものは処分します。ゴミに出すこともできますが、自分も家族もいらなくても他の人にとって貴重なものなら売ることも可能です。

買取業者に買い取ってもらったり、フリマアプリなどに出品して買ってもらったりすることも検討しましょう。

4ステップ目は必要なものを整理整頓することです。自分にとって必要なものと、家族にとって必要なものを分けて整理をしていきましょう。

自分が使うものはそのまま使っていけば問題ありません。自分は使わないけれど相続して欲しいと思っているものや、家族にとって貴重な遺産になるものは、どこにあるかを明記した目録を用意して保管するのが良い方法です。

また、自分には必要がないけれど、家族が今すぐに欲しいと思っているものは生前贈与をしても構いません。相続税対策になる可能性もあるので、家族と相談して検討してみましょう。

生前整理と合わせてやると良いこと

生前整理のやり方として、遺族のためを思うなら合わせてやっておいた方が良いことがあります。遺言書を作成して誰がどの遺産を引き継ぐのかを明確にすることです。

遺産相続のときには相続人が協議をして、誰がどの遺産を相続するのかを相談します。なかなか全員が納得する遺産分配の形ができなくて苦労することが多く、親戚関係が悪くなってしまう原因になることも珍しくありません。

しかし、生前整理をして残すものを明確にして、個々の遺産を誰が相続するのかを遺言書に書いておけば、相続トラブルが起こるリスクが低くなります。生前整理を一通り終えて、余力が出てきたときには遺言書も作成しておきましょう。

特に資産価値が大きい土地や家、有価証券などを残すときには、誰が相続するのかを生前に決めておくとトラブルになりません。親族を集めて相談して、誰が引き継ぐのかを決めても良いでしょう。

本人のいる前で話をすると本人との関係性を誰もが考慮しなければならないため、相続するのが最も合理的な人に決まりやすくなります。

その上で遺言書をしたためておけば、誰も不満に思うことはありません。なお、借金などマイナスの財産がある場合にも忘れずに整理をして、なるべく遺族に負担をかけないようにしましょう。

生前整理は無理のないペースで計画的に進めよう

生前整理はまとめて全部やってしまおうとすると意外に大変なので注意しましょう。生前整理のやり方として、まずは計画を立てて段階的に進めていくのがおすすめです。

基本的には必要なものと不要なものに分けて、必要なものは整理整頓し、不要なものは処分していくことで進められます。遺族の負担を考慮して、余力があれば遺言書の作成も進めておきましょう。

小野 聰司

記事監修者

小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。