生前整理を上手に行うコツを紹介
2023/05/26
終活の一環として行う生前整理ですが、初めてのことで作業が思う通りに進まない人もいるでしょう。やる気があっても、作業が進まないままに時間だけが過ぎてしまうのは避けたいところです。
今回の記事では、生前整理をどうやって行えばいいのかと悩む人のために、上手に行うコツを紹介していきます。生前整理を行うときの参考にしてください。
目 次
判断基準を明確にする
生前整理で作業が遅々として進まない原因の一つが、残しておくものと捨てるものを選別できないことです。その背景には、愛着あるものばかりで捨てたくはないという気持ちが隠れています。自分にとって大切なものであれば、捨てたくはないと思うのは当然のことです。
しかしながら、生前整理をするときには残しておくものと捨てるものを選ばなければいけません。そこで必要となるのが、判断基準です。例えば「今の自分に必要なものかどうか」という視点で自分のものを見ていきます。
愛着はあるけれども、もう二度と着ることがない洋服であったり壊れて動かなくなった機械類などは、出番がないでしょうから捨てるものに入れた方が良いでしょう。
他にも、「残される家族にとって必要なものかどうか」が判断基準となります。自分は使わないけれども家族ならば使えるものというものは少なくありません。
家族の視点で自分の持ち物を見ていくことで残しておくものと捨てるものを選別できます。もし、家族にとって必要なものかわからないときには、話し合いの場を設けて確認しておくのが一番の近道です。自分が亡くなった後のことを家族と話し合うことに、抵抗を感じる人もいるでしょう。
しかし、事前に話し合っておけば、家族の苦労を減らせるのでやっておく方が良いです。
家族のことを考えて資産の洗い出しや渡し方を決める
金融資産や不動産などなどの資産も、生前整理をしておくべき対象です。家族が知らない預金口座や債権などがあるかもしれないので、全てを洗い出してリストアップしておきましょう。中には、これから値下がりが予想されるものや相続争いを引き起こしそうなものもあります。
そのままにしておくと、家族が困ることになるので売却し現金にしておくと便利です。人によっては、借金が残っていることもあるでしょうが、それもまた相続される資産に含まれるのでリストに入れておかなければいけません。
プラス・マイナスの資産を明らかにしたら、家族へ渡す方法も考えておきましょう。基本的には死後の相続となりますが、節税のために一部を生前贈与しておくのも一つの手です。
一度に長時間の作業をするのはやめておく
生前整理をやらなければいけないと思ったら、集中して取り組みたくなるでしょう。しかし、いろいろと考えながら作業をしていくので、精神的・肉体的な負担がかかり、長時間になると疲れてしまいます。
疲れた状態で作業をすれば、捨ててはいけないものを捨てるなどのトラブルを招きかねません。無理なく作業ができる時間に調整することが、生前整理を成功させるためには重要なことです。
1日の作業量は少なくても、数ヶ月、1年と時間を掛けて進めていけば生前整理を終わらせられるので焦る必要はありません。
なお、地道に作業を進めていくつもりなら、完璧さを追求することはやめておきましょう。設定した目標を完全に終わらせるまでやめない気持ちで取り組むと、いつの間にか長時間の作業になってしまいます。
中途半端な状態になっても、そこで終わらせて構わないという緩い気持ちで取り組んだ方がいいです。また、日によっては体調が悪くて作業ができないこともあります。
無理をして、毎日作業を続けていくのではなく、出来るときに作業をした方がやる気を維持できます。
周囲の人の手を借りるのをためらわない
自分の生前整理は、自分の力だけで行うべきだと考える人もいるでしょうが、そのようなことはありません。必要であれば、周囲の人の手を借りた方が良いです。家具など大きなものは人手があれば粗大ゴミとして処分することもできます。
自分は使わなくなったものを見てもらい、欲しいという人にあげれば生前整理が進むでしょう。しかしながら、無理に周囲の人を手伝わせてはいけません。
相手にも都合があるのに生前整理を手伝えと強要すれば、そのことで相手が反発する可能性があります。生前整理が進んでも、人間関係を壊しては元も子もありません。
場合によっては、買取業者あるいは不用品回収業者に来てもらうことも考えましょう。買取業者に要らないものを買い取ってもらえば家族に残せるお金が増やせます。
不用品回収業者に要らないものをまとめて引き取ってもらうときも、お金にはなりませんが残すべきものだけ残すことができて整理がしやすくなり便利です。その際には、信用できる買取業者あるいは不用品回収業者を見極めなければいけません。
買い取りや不用品回収には資格や許可が必要となるので違法な業者に頼むとトラブルの原因となります。
生前整理はコツを掴めば難しいことではない
生前整理は、人生をより良く終わらせるため、残された家族の苦労を減らすために行う準備です。ときには周囲の人を巻き込みつつ、生前整理を進めていくことで作業の負担は大きく減らせます。
慣れていないことで戸惑うことも多いでしょうが、コツを掴んで地道に作業を進めていけばいずれは終わるものです。無事に生前整理を終わらせることができれば、あとは何もすることはないのでのんびりと暮らせるでしょう。
記事監修者
小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。