やっておきたい生前整理は大掃除の時がチャンス

2023/06/01

自分自身の今後の人生を考えて、また家族のことを考えて、身の回りの整理を始めようと考えている方も多いのではないでしょうか。

しかし、生前整理といってもなかなか積極的に手を出しにくいものです。そこでチャンスなのが、定期的に行っている大掃除のタイミングです。大掃除の時に生前整理を行うべき理由や取り組み方について見ていきましょう。

抵抗なく取り組むことができる

生前整理はやるべきだとわかっていても、自分の亡き後のことを考えてしまい、作業に踏み出せないこともあるでしょう。家族の生前整理も、死を願っているように思われてしまうのではないかと考えると、積極的に勧めることが難しくなります。

どうしても今後の生き方、死んだ後のことを考えてしまうきっかけになるので、触れたくないと思ってしまいがちなのです。あえて生前整理について考えたり、話したりするとそういったネガティブな気持ちになってしまいます。

だからこそ高齢の方や病気の方などが生前整理を進めることは難しくなるのです。

その点、当たり前のように年間行事の一つとして取り組んでいる大掃除であれば、それについて考えたり話をしたりすることは難しくないでしょう。

掃除をしている過程でいらないものが出てきたら処分する形でも生前整理の一部となります。

高齢の方の場合、大掃除は家族に手伝ってもらうことが多いでしょうから、普段自分だけではできない整理もしやすくなっていきます。あえて生前整理として向き合うのではなく、大掃除の発展形と考えて取り組んでいければ、抵抗感がなく作業を進めていきやすくなるでしょう。

大掃除で普段見えないところまで手を掛けられる

生前整理が簡単にできるのであれば、すでに行っている方が多いはずです。なかなか生前整理が進まないのは、不要なものなどが見えにくいところ、手が届きにくいところにあるから、作業自体が難しくなるためです。

奥にある不要なものを処分したいと思っても、それを取り出すために手前にあるものを移動させる手間を考えると、なかなか手を出すことができません。その点、大掃除になると普段手の届かないところの掃除までしっかり行うことが多いです。

そのタイミングで不要なものについても整理をしていけば、生前整理も進んでいくことになります。

もちろんすべての場所についておくまで掃

除をすることは難しいかもしれません。しかし、大掃除のタイミングでいつもはやらないところを一か所しっかり掃除していくことを心掛けていければ、手を付けていないところばかりにはなりません。半年ごと、一年ごとなどのタイミングで少しずつ手を付けていければ、無理なく生前整理をすすめられ、住まいもすっきりしてより暮らしやすくなっていくでしょう。

生前整理は一度ですべてが終わるものではありません。もちろん徹底的に不要なものを整理していくことはできるかもしれませんが、その後にまた日々生活していく中でついついたまっていくものも出てくるものです。また、一度ではなかなか整理しきれないことも珍しくありません。そのため、生前整理はたびたび行っていかなければなりません。しかし、そのために時間や労力を割きにくいこともありますし、やろうと思っていて後回しになってしまうこともあるでしょう。

定期的に行うからこそ意味がある

大掃除のタイミングで生前整理を行うようにすれば、一年や半年など定期的なタイミングで作業をしやすくなっていきます。以前はまだ必要だと思っていたものが、その時点では必要なくなっていることもあるでしょう。

そういった必要性の変化にも対応していきやすくなります。定期的に整理をしていくなら、迷うものは後で判断するために残してもよいので、気軽に整理をしやすくなるでしょう。体や気持ちへの負担も少なくて済むはずです。

取り組みやすくする工夫

生前整理を行うにあたって、やるなら徹底的に処分したい、と考える方も多いでしょう。しかし、実際には悩んでしまうものがあったり、考える時間が欲しいものがあったりします。整理作業中に悩んでいては時間がいくらあっても足りません。

そういった悩んでしまうものについては、保留するためのボックスを用意してそれに入れておくとよいです。次の大掃除の時までなど期限を決めて保管しておき、その間に使わなければ処分すると決めておくと、判断しやすくスムーズに取り組めます。

また、大きなものなどの場合には、移動が難しいこともあるので自分だけではなく誰かに手伝ってもらうとよいでしょう。

けがなどをしないように十分注意しておきたい所です。年末などは大掃除の多い時期ですが、ごみの回収スケジュールが普段と違うこともあるので、余裕をもって作業を進めていきましょう。大きな家具などの処分は業者に依頼するなど、負担を減らす方法をとってみるのもおすすめです。

生前整理は大掃除のついでに気軽に取り組もう

生前整理というと考えなければならないことも多く悩みがちですが、大掃除の一環としてなら取り組みやすくなるはずです。

定期的に行う大掃除だからこそ、家族で話をするチャンスにもなるでしょう。いきなりすべてを行うのではなく、できるところから整理に手を付けてみましょう。不要なものを処分することで今後の生き方にもプラスの影響が出てくるはずです。

小野 聰司

記事監修者

小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。