介護タクシーでストレッチャーを利用するケースと利用の仕方

2024/05/18

ストレッチャーと言われて、どんなものかイメージできますか。
この記事では、介護タクシーでストレッチャーを利用するケースの事例や利用の仕方などについてご紹介していきます。

■ストレッチャーとは

ストレッチャーは、キャスターが付いたベッドのことで、車輪が付いているため、人をベッドに寝かせた状態でスムーズに移動させることができます。
救急車で搬送する際や病院で救急患者さんを運ぶ際などにも利用されています。

■介護タクシーとストレッチャー

介護タクシーとは、介護が必要な方を乗せることができるタクシーで、タクシードライバーが介護福祉士の資格を持っていることや介護職員初任者研修を修了済みなど介護の専門資格を持っているのが大きな特徴です。
利用者に合わせて必要な介助や介護を提供できるので、安心して乗ることができます。
介護タクシーにおいても、ストレッチャーを利用して寝たきりの方や思うように立ち上がれない方などをタクシーに乗せて走行することができます。
緊急搬送を要するような重篤な状態の方は、救急車の手配が必要ですが、脳梗塞や心筋梗塞などで寝たきりとなり、介護認定を受け、様態が安定している方が、病院に通う場合や入院や退院する場合、転院する場合などにストレッチャーを使って介護タクシーに乗せて移動することが可能です。

■ストレッチャーの使い方

ストレッチャーを使う場合、自宅や病院、老人ホームなどから介護タクシーまでの移動に使うだけでなく、ストレッチャーごと介護タクシーに乗せて目的地まで運び、到着後もストレッチャーで移動させるのが基本です。
寝たきりである場合や体が思うように動かせないなど、身動きを取ることが難しい方を運ぶケースも多いので、出発する時点から目的の場所に送り届けるまで終始ストレッチャーが活用されます。
そのため、介護タクシーにストレッチャーごと乗せられることが必要です。
一般的な介護タクシーでは、ストレッチャーを乗せることができません。
介護タクシーでもささまざまな車両があります。
買い物や通院、デイサービスへの送迎などに気軽に利用できるコンパクトカー、日帰り旅行や冠婚葬祭などに快適に移動できるセダン、車椅子でも乗りやすいミニバンなどが挙げられます。
ストレッチャーを乗せる場合には、大きくて長い車両が必要となり、シートを外した寝台車タイプでないと難しいです。
そのため、介護タクシーを運営するすべての会社で、ストレッチャーによる対応ができるわけではありません。
ストレッチャーを乗せられる車両を有していることが必要です。

■利用料金について

介護タクシーの利用料金は、主に運賃、介助料、機材使用料で構成されています。
運賃は走行距離や所要時間などによって設定されるものです。
介助料とは、タクシードライバーや同行する介助スタッフによって介助をする際に発生する料金です。
介護タクシーへの乗降のサポートも介助料金が発生します。
たとえば、自宅や病院のベッドからストレッチャーに移動させる介助やストレッチャーに乗せて介護タクシーまで運ぶ介助にも介助料が発生するのです。
ストレッチャーを使う場合、タクシードライバーに加えて、介助要員をプラスすることもあるので、その人件費分も料金に上乗せされます。
一方、機材使用料とは機材を使用する際に発生する費用です。
ストレッチャーを使用する場合には、ストレッチャーの使用料も発生します。
つまり、ストレッチャーを使用することそのものの料金と、ストレッチャーを使って介助する料金が発生するということです。
また、運賃についても、コンパクトカーやセダンの料金設定と、ストレッチャーを搭載できる寝台車タイプの料金では設定が異なるのが一般的です。
走行距離に応じた運賃も、寝台車タイプのほうが一般車両に比べると高く設定されています。
このように、ストレッチャーを利用すると料金は高めになるのが一般的です。

■介護保険の適用が受けられる

ストレッチャーを使わないと、移動できない方の多くは介護認定を受けていると思います。
介護認定を受けている方で、一人では公共交通機関を利用して移動できない方の場合、介護保険を利用して介護タクシーを利用することが可能です。
そのため、ストレッチャーを使っての介護タクシーの料金が高いといっても、介護保険を利用できれば、1割だけなど自己負担分を抑えることができます。
ただし、介護保険を利用して介護タクシーを利用するには、あらかじめケアプランに盛り込まれていないといけません。
そのため、寝たきりの方の場合などは、事前にケアマネジャーと打ち合わせを行い、病院に定期通院をすることや検査に行く場合、入院や退院、転院が必要になる場合、病院や老人ホームなどから一時帰宅する場合などに介護タクシーを利用する場合があることを、盛り込んでおくことが必要です。
介護保険を利用したい場合には、利用したい介護タクシーをケアマネジャーに申し出るか、ケアマネジャーから介護タクシー会社を紹介してもらったうえで、事前に介護保険を使う契約を締結することが必要です。
介護認定を受けていても、ケアプランに盛り込まれていない場合や事前の契約なく、急遽、利用した場合などは介護保険の適用が受けられず、全額自己負担となるので気を付けましょう。
介護認定を受けている方が、なんらかのアクションを取りたい際は、常にケアマネジャーに相談する習慣をつけておくことがおすすめです。

■まとめ

ストレッチャーとは、キャスターが付いたスリムサイズのベッドで、救急車で病人やけが人を搬送する際にも使われています。
介護タクシーで寝たきりの方などを乗せたい場合、ストレッチャーを使うのが一般的です。
ただし、ストレッチャーを乗せられる車両がないと利用できません。
ストレッチャーを使う場合、運賃が高くなるほか、ストレッチャーに移動させることやストレッチャーで運ぶ介助料が発生します。
また、ストレッチャーの使用料も発生するので料金が高くなるのが一般的です。
介護保険の適用を受けることができれば、自己負担額が低くなりますが、事前にケアプランに盛り込み、介護タクシー会社との契約が必要になります。

小野 聰司

記事監修者

小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。