車椅子で利用する介護タクシー料金について
2024/04/19
車椅子で介護タクシーを利用したい場合や介護タクシーでの移動にあたって車椅子を準備してほしい場合など、料金はどうなるのでしょうか。
車椅子の利用と介護タクシー料金について見ていきましょう。
目 次
移動に便利な車椅子
普段は車椅子を利用せず、介助があれば一人で歩ける方や杖や歩行器などを使っている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、体調が思わしくない時や長距離を移動したい場合などは、車椅子を利用したほうが便利な場合もあります。
近年は、病院をはじめ、レジャー施設などでも車椅子が無料でレンタルでき、自由に使えるケースも増えています。
高齢者はつまずくリスクなども増えるので、車椅子に乗って移動したほうが安心のケースが多いです。
赤ちゃん連れにベビーカーを貸し出すように、高齢の方をお連れのご家族に貸し出しを行い、スムーズな移動や安心の移動をサポートしています。
ドライバーのサポートが受けられる便利な介護タクシー
介護認定を受けた高齢者などが通院したり、買い物に出かけたり、家族や友人とレジャーなどを楽しみたい場合、介護タクシーという選択肢があります。
タクシードライバーが介護の専門資格を取得しているので、ご家族やご友人が介助しなくてもドライバーがサポートしてくれるので、手間もかからず便利です。
一人で出かけたい時や一人暮らしで家族のサポートを受けられない場合も、ドライバーがタクシーの走行だけでなく、乗降のサポートや目的地での移動などもサポートしてくれるので安心して利用できます。
介護タクシー料金の基本
では、介護タクシーの料金はどのようになっているのでしょうか。
一般的なタクシーは走行距離に応じた料金が基本となり、それにプラスしてタクシー会社や利用の方法によって迎車料金が加算されたり、深夜割増料金がプラスされたり、待機料金などが加算されることがあります。
また、観光タクシーや日帰り旅行などで貸切利用する場合には、所要時間などに応じた料金が設定されるのが一般的です。
これに対して、介護タクシーは運賃に加えて、タクシードライバーによる介助サポートの料金や機材使用料で構成されるのが基本です。
運賃は走行距離に応じて設定される場合もありますが、介護タクシーの場合、一般的なタクシーのように片道だけ乗せて降ろすケースより、目的地まで送り届けて、目的地での移動もサポートし、かつ再び乗せて戻ってくるといったケースや帰省や冠婚葬祭などのために日帰りで貸し切るケースも少なくありません。
そのため、所要時間に応じた運賃設定をしているケースや走行距離と時間併用型の運賃のケースもあります。
また、コンパクトカーなどの小型車、セダンなどの普通車、寝台車などの特殊大型車などの車両の分類により、運賃に幅がある場合もあります。
車両が大きく、特殊になるほど、走行距離あたりの運賃が高くなるなどです。
介助料金について
タクシードライバーや必要に応じて同行する介助スタッフが、利用者を介助する場合の一つひとつの介助行為に対して発生する料金です。
たとえば、ベッドから車椅子に乗せ換える、車椅子を押して移動させる、車椅子ごと介護タクシーに乗せて固定する、車椅子からタクシーのシートに乗せ換えるなどの介助行為をするごとに加算されていきます。
介助は介護タクシーへの乗り降り時だけでなく、移動の目的や希望に合わせてサポートが受けられます。
たとえば、商業施設に買い物に行き、商業施設内を車椅子を押しながら巡ってもらうことやご家族やお友達との会食の際の移動をサポートしてもらうなど、ニーズに合わせてサポートしてもらえるので安心です。
単なるドライバーではなく、介護の専門資格を持っているので安心して委ねられます。
機材使用料とは
機材使用料は介護タクシー会社が用意する機材を使用する際の料金です。
タクシー会社によっては機材レンタル料などとしているケースもあります。
たとえば、寝たきりの方でも寝たまま移動できるストレッチャーを準備したり、楽な姿勢で移動しやすいリクライニングチェアを用意したり、車椅子をお持ちでない方や日頃は車椅子を使っていない方の移動をサポートするために車椅子を用意するような場合に発生する料金です。
機材使用料は介護タクシー会社によって、設定が異なります。
使用した後は清掃をすることや消毒をするなどメンテナンスも必要になるため、そうした保守費用を踏まえた料金が設定されるのが一般的です。
車椅子と車両
車椅子は、車両によって扱いが異なるので注意が必要です。
ミニバンなど大きめの車両や福祉車両として改良された車両などは車椅子ごと乗り込むことができるケースが多いです。
車椅子をスロープやリフトなどで上げるなどし、シートの脇に動かないように固定したうえで走行します。
コンパクトカーやセダンなど車椅子ごと乗ることができない車両の場合には、自宅など部屋から介護タクシーまでの移動は車椅子で行い、車椅子からタクシーのシートに抱きかかえるなどの介助をして移します。
そのうえで、車椅子は折り畳み、荷台やトランクなどに入れて持ち運ぶのが一般的です。
車椅子を借りる場合
普段は車椅子を使っておらず、車椅子をお持ちでない方が、介護タクシーで出かけるにあたって車椅子を利用したい場合、借りることができます。
この場合、介護タクシー料金は運賃に加えて、車椅子での移動をサポートするなどの行為ごとに発生する介助料と車椅子の機材資料料も発生します。
手動の車椅子には、ご自身で車輪を回して進むタイプと他人に押してもらって進むタイプがありますが、押すタイプが用意されるので、車椅子を利用した経験がない方や体力がない方、介護が必要で体が思うようにならない方も安心です。
車椅子を持ち込む場合
ご自身で使っている車椅子で介護タクシーを利用して出かける場合には、運賃と介助料が発生します。
車椅子ごと乗れる車両と、車椅子から降りて乗車する車両では、運賃設定に差があるのが一般的です。
一般的には車椅子ごと乗れる車両のほうが大きな車両になるため、その分運賃も高くなります。
一方、車両への乗り換えは車椅子ごと乗れたほうが楽な場合もあるので、介助料はわずかに安くなる場合もあるかもしれません。
介助料としては、ベッドなどからの車椅子への移動、靴の履き替え、車椅子の車両への移動などの介助行為に対してかかります。
電動車椅子を持ち込む場合
電動車椅子はバッテリーが搭載され、走行をパワフルにサポートしてくれるため、サイズが大きく、重量もあり、折り畳むことができません。
そのため、電動車椅子で介護タクシーを利用したい場合は、対応できる車両がないと利用できません。
電動車椅子ごと乗り込めるサイズの車両が必要となり、スムーズに乗降できるよう、スロープや電動リフトなどが設置されていることも必要です。
こうした設備の整った大きめの車両が必要になるので、運賃なども高めになります。
まとめ
介護タクシー料金は、運賃、介助料に加えて、車椅子などをレンタルした場合の機材使用料もかかります。
車椅子に乗り換える際の介助料や車椅子をタクシーに乗降させるための介助料、車椅子を押して移動をサポートする介助料なども発生します。
車椅子ごと乗れるのか、体をタクシーのシートに乗り換えて車椅子を折り畳んで乗るのか、電動車椅子を乗せられるのか、など車両のタイプによっても運賃に差が出ますので、見積もりなどで確認しましょう。

記事監修者
小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。