生前整理って何?断捨離との違いや進め方を解説
2023/03/01
自分に万が一のことがあったとき、遺族にできるだけ迷惑をかけないように所持品を整理していく生前整理が注目を集めています。一方、似たようなものとして断捨離が挙げられますが、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、生前整理と断捨離の違いや生前整理をするときの進め方の手順などについて解説していきます。
目 次
生前整理とは?
生前整理というのは、自分の人生を見直すことにもつながります。自分の過去から現在に至るまで、手に入れた品物や遺産を確認し、今後の人生や死後においてどのような処分を希望しているのか、遺族に対して示しておく行為が生前整理です。
具体的には、今後自分にとって不要になる品物は処分したり人に譲ったりして、できるだけ所持品を少なくしておくとともに、自分が管理する品物については、自分の死後にどのように処理してほしいかを記録として残しておく行為も含まれます。
生前整理を始めるタイミングは人によって異なりますが、自分の死後の手続きについて意識し始めたとき、介護施設への入所などで手持ちの品を減らしたいときなどに始める人が多いです。”
断捨離との違い
生前整理も断捨離も、所持品を減らすという点では共通しています。しかし、断捨離は現在不要な品物を処分するだけであるのに対し、生前整理は将来を見据えて荷物の整理をするというところに違いがあります。手持ちの品で必要ないものを処分するというところは、断捨離も生前整理も同じです。
しかし、生前整理ではさらに踏み込んで、これからその所持品をどのように扱うのか、そして自分が亡くなった後は、誰にどのように処分してほしいのかまで思いを巡らせなければなりません。
不要な品は処分するとして、手元に残している品物については遺言書やエンディングノートなどで、処分する方法について言及しておくのが生前整理と断捨離の大きな違いです。
生前整理の進め方
生前整理は、こうしなければならないという決まりごとがあるわけではありません。ただ、将来的に自分が亡くなった後も見据えて所持品について整理するため、エンディングノートや遺言書の作成、遺品整理業者への相談など、断捨離とは部分的に異なる作業があります。
特に、遺品整理については法定相続人同士で争ったり、相続人が多すぎて手続きが困難になったりすることもありますので、公正証書遺言できちんと書面として残しておいた方が後々のトラブルを避けることにもつながるでしょう。
そして、遺言書は日付が新しいものを優先するので、気が変わったときに変更することも可能です。弁護士や司法書士、税理士の他、生前整理業者などに早めに相談しておくのも良いでしょう。
早めに生前整理をしておくと、後の変更もやりやすい
このように、生前整理と断捨離では似て非なる部分が多数あります。しかし、生前整理を行うことは現状で荷物が増えすぎた状況を改善する断捨離にもつながりますので、当面必要ないものを処分するだけでも管理がしやすくなるでしょう。
もちろん、生前整理後に遺産の分配などについて変更をすることも可能です。早めに準備をした方が、将来のビジョンを浮かべやすくなるでしょう。
記事監修者
小野税理士事務所代表の小野 聰司。
平成21年の12月に小野税理士事務所を開設し、多くのお客様のサポートをしている。